村上 ラグビースピリットのなかで、好きな部分はどんなところですか。

岩田 人を思いやるところです。自分がボールを持って突破できたとしても、必ず誰かにサポートされるし、自分もサポートし、犠牲になることもある。そんな繰り返しが、ラグビーをしていて良いと思うところです。人の痛みが分かるスポーツですよ。

村上 RWC日本大会にどんな期待をしていますか。

岩田 仕事のことでいえば、世界中から人が来てくれて、日本中を旅行してホテルにたくさん泊まってもらって、商業施設で買い物をしてほしいです(笑)。1か月以上ありますから、長く滞在してもらって日本を理解してもらいたいですね。ラグビーのことでいえば、ラグビーの凄さをたくさんの人に見てほしいし、理解してほしいです。ラグビーは話を聞くだけでは分かりません。実際に見て理解してほしいですね。うちの娘たちにも、父親がどんなスポーツをしていたのか見てほしいと思っています。

いまのラグビーブームのきっかけになったのは、2015年のRWCで日本代表が南アフリカ代表を破った試合のインパクトだと思います。僕はあのとき、シンガポールにいたのですが、ニュースで「日本が南アフリカに勝った」というのを見てビックリしました。帰国して何度も録画を見て涙を流しました。

あの試合によって、これまでラグビーを知らなかった人も見るようになったと思います。大阪にはラグビーを好きな人が多いですね。当社と関係のなかった会社の方と話しているとき、ラグビーの話になって、私がラグビーをしていたと知ると仲良くなる。一緒に試合を見に行きましょうと誘ってくれたり、ラグビーが載っている雑誌を持ってきてくれたり。仕事のつながりがなくても仲良くなれるのは、ラグビーの魔術だと思います。

村上 岩田さんは大学、社会人のラグビー部でキャプテンを務めています。何を得ましたか。

岩田 私は大学からラグビーを始めたので、4年生まで3年しか経験していません。そういう意味では理論的なことよりも、真面目に3年間やってきたことが評価されてキャプテンになりました。ですから、地道に一段一段階段を上るようなチーム作りを考えました。キャプテンの難しさは、自分の言ったことに影響力があるということです。一度言ったことには価値がともなって広がっていく。あとで、あれは違いましたと言えば、完全に信用を失う。意思決定の難しさを学びました。ラグビーのキャプテンは、最後は自分で決めて責任をとる。それを経験できたのは自分の人生のなかでも大きかったと思います。

村上 キャプテンは勝敗の責任も負いますね。

岩田 4年生のときは、チームが上り坂でした。全国地区対抗大学大会にも北海道代表として行ける実力でした。しかし、最後の北海道大学との予選決勝の前、お酒を飲んで怪我をした選手が出てしまったのです。私のマネージメントの仕方がどこかで甘かった。緩みがあったのだろうと思います。どんなに前評判が良くても「絶対」はない。勝つまで、優勝するまでは、気を抜いてはいけない。やり抜かないといけないのです。勝つことの難しさを痛感したこの出来事は、私の考え方のベースになっています。勝つためには、最後まで部員たちと一緒にやり抜くことが大切です。この考えは今も変わっていません。

*この続き(その4)は、5月31日(金)に更新します。

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