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村上
玉塚さんはアメリカにも行っていますね。

玉塚
ビジネススクールで大学院に入学した時期と、ニューヨークをベースにして事業開拓の仕事をしていたこともあり、計3年ほど住みました。アメリカの大学院にもラグビーチームがあったので、たまに試合をしていました。東海岸はラグビーが盛んでした。

村上
ラグビーをしたことが、ビジネスに役に立ったことはありますか。

玉塚
大学の頃の話ですが、慶應はプレーヤーの経歴からすれば雑草集団です。それが目標を掲げて早稲田や明治を倒した。努力すれば巨象をも倒せる。慶應には福沢諭吉先生と並んで有名な小泉信三先生がいます。体育会の父と呼ばれている方ですが、その小泉先生が「練習は不可能を可能にする」という言葉を残されています。練習とは努力。努力は不可能を可能にするということです。それを我々は早稲田や明治を倒すことで体験できた。この経験が大きいのです。社会人になっても基本は同じ。目標を決め、難しいことでも努力すれば、巨象を倒せる。必ず倒せる。そう思って事業を引っ張って行くリーダーか、そう思えないリーダーかで成果は違いますし、リーダーではなくとも、一人一人がそういうメンタリティーを持つことが大事です。僕がラグビーから学んだのはそこです。
ラグビーというのは、究極のチームプレーです。チームプレーとは仲良くやるということではなく、たとえば、村上さんと僕が同じチームで、村上さんの前に人が走ってきたら、必ず村上さんが止めてくれるという信頼がなければ成り立たない。それは仕事にも通じる。一人一人に役割があり、彼はこのミッションを高いレベルで達成してくれるという信頼があるからチームワークができていく。それが強い組織を作るベースになります。

村上
玉塚さんはさまざまな会社でリーダーになっています。リーダーとしてもラグビーの経験は生きましたか。

玉塚
経営というのは、武道やスポーツと似ていて、繰り返し厳しい意思決定をし、失敗して胃が痛むような経験を何度もします。それを重ねて経営者として成長していく。幸い僕は39歳のときにユニクロの社長を務めることができて、以来、16年、経営に関わる仕事をしてきました。僕はまだまだですが、厳しい体験の繰り返しがリーダーを作っていくのだと実感しています。

村上
ラグビーはキャプテンがすべてを判断するスポーツです。それは社会に出る前に良い訓練なのではないでしょうか。

玉塚
その通りです。ラグビーは監督がフィールドに入ることもできなし、試合が始まれば選手自身が判断する。もともとイギリスでリーダー教育の一環としてスタートしたスポーツだから、キャプテンにすべてのジャッジメントを委ねる。選手が主体性を持ってプレーするというルーツも素晴らしいと思っています。社会人になっても、企業で必要な人間は自立型です。主体的に当事者意識を持って仕事をしていく人が、一人でも多く必要です。自立型10人と、依存型10人のチームが試合をしたら結果は明白です。依存型は指示を待ち、上手くいかないと環境のせいにする。自立型の人間は他に何かいい方法がないかを常に探し求める。ラグビーはそういう訓練ができるスポーツですよね。

   *次回は、 4月 6日金曜日に更新いたします。 

【玉塚元一略歴】
株式会社ハーツユナイテッドグループ 代表取締役社長 CEO
ケース・ウェスタン・リザーブ大学大学院 MBA取得
サンダーバード大学大学院 国際経営学修士号を取得
1985年、慶應義塾大学卒業後、旭硝子株式会社入社。工場勤務、海外駐在を経て、日本IBMに転職。1998年、株式会社ファーストリテイリングに入社、2002年に同社代表取締役社長 兼 COOに就任。2005年9月に企業再生・事業の成長を手掛ける企業、株式会社リヴァンプを創業し、代表取締役に就任。その後2010年11月、株式会社ローソンに入社。
同社取締役代表執行役員COO経て、2014年5月より代表取締役社長、2016年6月に代表取締役会長CEO。2017年6月、デジタル製品のテスト及びQAを行う株式会社ハーツユナイテッドグループ代表取締役社長CEOに就任。現在に至る。

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